腸が消化器官として果たす役割については、すでに一般的になっていると思います。 口から入った食物が胃や十二指腸を経て消化物として腸に到達し、養分や水分が吸収されて便として排泄される・・・と、ここまでは誰でも知っている働きでしょう。 しかし、腸内細菌と免疫との関係となると、なかなか簡単には理解されない領域だと思います。 腸内環境はオーケストラ 私が腸内細菌の世界を説明する際に、よくオーケストラに例えて話をしています。 たくさんの種類の乳酸菌をそれぞれの楽器の奏者に例え、彼らが生息している腸内はまるで広いコンサートホールです。 オーケストラではコンダクター(指揮者)は一人ですが、腸内菌の場合は独立し
「免疫」タグの記事一覧
コロナウィルスとラクトザイム
新型コロナウイルス、COVID-19感染症のパンデミックが起こり、世界中で何百万人もの感染者が出ている。集中治療室に送られ、人工呼吸器を装着する段階に至った患者の半数以上が亡くなっているとされる。これら、亡くなった患者の多くが重症化によって生じる免疫反応の暴走(サイトカインストーム)や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)であるととされ、既存薬を転用して治療に使いながら、現在各国で開発中のCOVID-19治療薬は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、サイトカインストームなどを改善する薬剤に分けられる。 一方、ミシガン大学の医師らは、新型コロナウイルス感染症の患者を死のスパイラルに導く要因の1つである
このまま続くコロナ渦
30日に東京都が確認した新型コロナウイルスの感染者は14人だったそうだ。これで都内で確認された感染者は5日連続の2桁台。要するに緩めると慢性的に感染が広がり、2桁の感染者が出続けるということだ。PCRをかけて全ての人に検査をしない限り、誰が保菌者で誰が非感染者なのか、永久に分からない。日本人にコロナの死亡者が少ない理由は、決してPCR検査を行っていないからではなく、ファクターXは疫学上の別の理由であろう。ここまでPCR検査数を増やしたくない理由は、黒川の定年を延長したい理由や、森友問題や、四国の獣医学校の新設や、桜を見る会などの問題と、きっと根は同じなのだと思う。いつか明確になるだろうが。そし
鳴りを潜める乳酸菌CM
最近、と言ってもクルーズ船のニュースが頻繁に流れるように成り、誰もがコロナの存在を知るようになった2月頃からの事だが、乳酸菌飲料や機能性ヨーグルトのCMが少なくなったと思わないだろうか? というか、ほとんど見なくなったとも言えるのではないかと思う。 何故か? そりゃそうだろう。 誰でも免疫力をあげてコロナから身を守りたいと思うのだから、納豆までスーパーの棚からなくなるくらいだ。ちょっとした免疫関係の情報にだって敏感になっている時に、インフルエンザの流行る頃なんかすごい勢いだったヨーグルト屋さんが、ほとんど出てこない理由は単純。効かないからだ。 100円足らずのヨーグルトで免疫力が上がったら苦労
臓器の寿命を考える
腸に限らず、ヒトの臓器の寿命は生まれた時から遺伝子情報で決められています。重要な臓器が機能を停止すれば、それはすなはちその人が寿命を迎えたことになります。アンチエイジングを試みて、食生活や生活習慣などを改善することで多少の違いは出てくるかもしれませんが、持って生まれた寿命を大幅に引き延ばすことは困難です。 脳の臓器としての寿命は125歳とも言われていますので、すべての臓器を人口臓器に置き換えたとすれば、ヒトは125歳くらいまでは生きられるのかもしれません。現代医学も進歩して、感染症を予防しトラブルを早期に発見することで、臓器の寿命を延ばすことには貢献していますが、遺伝子に書かれたプログラムを変
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「ゆ」
[ゆ] 優秀な 菌と呼ばれる 乳酸菌 環境変われば ただのよそ者 | 乳酸菌メーカーが販売する乳酸菌について、その機能性をアピールする場合、その方法はだいたい決まっており、多くは乳酸菌単体での免疫活性を調べたり、悪玉ホルモンを低減させる機能などが測定されます。 乳酸菌を使ったこれらの試験の多くは、1種類の乳酸菌単体で行われるため、実際にそのような乳酸菌を私たちが製品として飲んだ場合、私たちの腸の中で同じことが起こるかどうかは、また別の話です。 腸内にたどり着いた際に、非自己、つまりもともと自分の腸内にいる乳酸菌でない場合は、圧倒的に多くの既存の腸内細菌に攻撃される(排除される)運命にあります
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「め」
[め] ミリよりも 千分の一小さい 腸内菌 | 免疫という言葉は、病気や外敵(疫)から免(まぬが)れるための仕組みからきています。私たちの体は免疫機能に守られていますので、なかなか病気にはかからず、80年以上も生きることができるのです。 大まかに言いますと、実際の免疫機能は常に自分のからだと同じものを自己、異なるものを非自己として認識していて、区別して扱っています。 そしてもし、非自己が体内に侵入してきた場合にのみ、これに反応して排除しようとします。この場合の非自己を抗原(こうげん)といいます。そして、抗原の侵入に対するこのようなからだの反応を免疫応答といいます。 万が一、自己であるものを非
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「ふ」
[ふ] フローラだけ 良くても病気は 治らない | 腸内細菌の研究が進み、腸内フローラの状態が私たちの健康に大きく影響を与えていることは、今や常識とさえ言われるようになってきました。しかし、腸内細菌のバランスが安定しているとしても、加齢に伴い菌自体の活性度は低下していくため、免疫機構の一部としての腸内菌の働きも低下していきます。お通じや消化吸収機能とは別に、良好な免疫力を維持できているかという面で、腸内フローラを捉えるべきだと言えます。 腸内フローラや腸内環境について勉強したい方は、参考にしてください。 腸内カルタ を買ってくださった方にはパスワードを発行し、全ての読み札の解説が載っているサ
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「て」
[て] 手も足も ない腸内菌が 命守る 腸内細菌と免疫系の働きは切り離さないほど密接な関係を持っています。体内の免疫系は病原菌やウイルスなどは徹底的に攻撃しますが、腸内細菌は攻撃せずに良好な友好関係が築かれています。 最近の研究では、腸内細菌の菌体成分や作り出す成分が、免疫系に対して働きかけ健康に大きく影響していることが判明しました。言い換えれば、手も足もない単細胞生物である腸内細菌たちが私たちの体を守っているとも言えます。 腸内フローラや腸内環境について勉強したい方は、参考にしてください。 腸内カルタ を買ってくださった方にはパスワードを発行し、全ての読み札の解説が載っているサイトに入れるよ
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「お」
[お] お腹冷やすな 冷やすと増えない 腸内菌 昔から子供の頃には、「お腹を冷やすと風邪ひくぞ」などと言われていたものです。なぜお腹を冷やすと風邪をひくのかなど気にせずに、盲目的に親の言うことを聞いてきた方も多いと思います。結論から言いますと、お腹には腸内細菌が生息している腸があります。また体内をパトロールしているような免疫細胞の7割くらいが、腸のそばで腸内細菌と情報のやり取りをしていることが分かってきました。腸内細菌も免疫細胞も生き物ですので、彼らが最も快適に仕事ができる温度があります。これを至適(してき)温度と呼び、体温がその温度にあたります。 お腹が冷えると、彼らの環境温度が至適温度より
「免疫」タグの記事一覧