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健康と食事を考える

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糖尿病などの生活習慣病をターゲットとして、医者や学者がよく口にするのは「運動とバランスのとれた食事」という言葉です。 同じ言葉を、あらためてここで繰り返すつもりはありません。健康を守るのは市販のサプリメントではなく食事だということ、それは誰でも分かっています。 私たちは宇宙飛行士ではないのですから、野菜や魚も肉だって、金魚の餌のようなドライフードではなく、自然の食品が一番良いに決まっています。 また運動にしても、各自に毎日運動ができる環境があれば、これほど通販で健康器具が売れたりはしないでしょう。 入院患者ならば、定期的な運動も実現可能でしょうが、現代人にはきれいごとにしか聞こえません。仕事や

臓器の寿命を考える

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腸に限らず、ヒトの臓器の寿命は生まれた時から遺伝子情報で決められています。重要な臓器が機能を停止すれば、それはすなはちその人が寿命を迎えたことになります。アンチエイジングを試みて、食生活や生活習慣などを改善することで多少の違いは出てくるかもしれませんが、持って生まれた寿命を大幅に引き延ばすことは困難です。 脳の臓器としての寿命は125歳とも言われていますので、すべての臓器を人口臓器に置き換えたとすれば、ヒトは125歳くらいまでは生きられるのかもしれません。現代医学も進歩して、感染症を予防しトラブルを早期に発見することで、臓器の寿命を延ばすことには貢献していますが、遺伝子に書かれたプログラムを変

植物性乳酸菌は誤り

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牛乳など動物性食材を発酵させてヨーグルトやチーズを作るものは「動物性乳酸菌」で、穀類や野菜など植物性の食材を発酵させてお酒や漬け物などをつくる菌は「植物性乳酸菌」・・・などと書かれた販売資料がありますが、基本的(学術的)にこれは間違いです。 そもそも乳酸菌は、『バクテリアの中で、ブドウ糖から乳酸を50%以上の率で生産して、内成胞子を作らない非運動性の細菌グループ』の総称です。乳酸菌は地面や葉っぱなど、どこから取ってきて分離しても乳酸菌は乳酸菌です。 動物から取ってきたので動物性乳酸菌などとは言いませんし、某メーカーKが植物性乳酸菌として飲料を販売していますが、それならば『植物由来の乳酸菌』と言

カスピ海ヨーグルトの怪

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消費者を惑わせる植物性乳酸菌の話しの次に、スーパーで売られているカスピ海ヨーグルトのお話しをしましょう。数年前に、農芸化学会というバイオサイエンスの最先端の研究者が集う学会に参加した時の発表内容で、某大学の研究チームによる、カスピ海ヨーグルトの遺伝子分析結果に関するものがありました。 件の内容は、カスピ海に隣接するヨーグルトとして販売されている製品数種類の遺伝子を解析したところ、すべてカスピ海周辺で食用されている菌株とは異なる株であった、というものです。カスピ海のある地域は、黒海とカスピ海にはさまれた、乳酸菌の故郷や長寿で有名なコーカサス地方です。研究グループは、実際にカスピ海まで出かけていっ

不純物を考える

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腸内バランスを調えましょうとか、腸内環境を善玉菌優性にしましょう、という言い方をよく聞きます。 腸内細菌を善玉菌と悪玉菌の2つに大きく分けて、そのバランスを論じたものですが、日和見(ひよりみ)菌と呼ばれる、善玉菌にも悪玉菌にも転がる可能性がある菌の存在は別として、どのくらいのバランス比ならば良いのでしょうか。 腸内菌にはその人固有のバランスが存在するはずであり、この問いに明確な答えはないのかもしれません。逆に、善玉菌が多ければ多いほど良いという理論も、いささか乱暴に聞こえます。 そもそも悪玉菌と呼ばれている種類の腸内細菌は、ヒトには不要なものなのでしょうか。筆者は、そもそも腸内細菌を善悪の名称

化粧品と宇宙

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バイオローザなど、化粧品を開発している立場から、化粧品というものについて少し書いてみます。 化粧品を英語で言うとCosmetics(コスメティクス)。その語源はギリシア語の「kosmos」です。ギリシア語でKosmos の意味は「秩序」や「調和」。古代ギリシアの人々は星や星座の動きに秩序があることを知っており、宇宙の秩序だった並び方から占星術が生まれました。天体の運行に秩序があるという発見はやがて、宇宙が人生に影響を与えているとい発想につながったのです。やがて宇宙とコミュニケーションを取り合うあこがれは、宇宙を取り入れ、調和を目指すようになりました。 古代では、化粧が受け持つ役割は未知の宇宙へ

腸内宇宙の話

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私たちが受精卵からヒトへと成長する過程で、脳や心臓よりも先に皮膚や腸が出来上がる事が、発生学上の研究で明らかになりました。栄養を吸収する機能と、外敵から身を守る免疫系の機能から出来上がっていくのは理にかなっています。 免疫機能は、口から入ってきた有害な物質は腸から排泄し、あるいは皮膚というバリヤーによって体内に入り込もうとする細菌や毒物から身を守る、生体防御機能とも言えます。私たちを守る砦である腸と皮膚はよく、口とお尻の穴でつながった1本の管(くだ)にも例えられ、互いに影響し合っています。便秘などで腸内環境が悪い時には、肌にブツブツができて目に見える形で腸の異常を訴えかけ、実は免疫機能が低下し

乳酸菌と音楽

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酒づくりの現場では古くから、酒蔵の中で仕込み中の日本酒や焼酎の原料に音楽を聴かせることで、円やかなお酒が出来上がることが知られています。愛知県の某酒造メーカーでは比較的大きめの音量で音楽を、大型のコーンで発酵が行われている樽に誘導しているそうです。奄美大島の黒糖焼酎の製造でも、黒糖焼酎の製造工程において、貯蔵タンクに一定の音響振動を加えて熟成を促すという独自製法が行われており、音響熟成という名称で呼ばれているようです。しかし、科学的な根拠に基づいて、どのような曲をどのタイミングでどのくらいの時間、醸造過程の日本酒に聴かせれば良いのか、などの科学的なデータは見当たらず、先人の教えに従った古典的、

醤油と丸大豆

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お醤油の中に「丸大豆使用」とか「丸大豆醤油」と書かれているものがありますが、両者の違いをご存知でしょうか。大豆に丸とか四角とかあるのか?・・・とか思われるかもしれませんが、実は丸大豆というのは、品種名でも丸い大豆の意味でもありません。『大豆を丸ごと使ってます』という意味なんです。なぜ、丸ごと大豆を使っていると、メーカーは強調したいのでしょうか。 大豆はお醤油造りには欠かせない原料ですが、ほとんどの醤油には大豆から油を抜いた『脱脂加工大豆』が使われています。脱脂加工大豆を使うと醤油造りに使う菌が嫌いな脂肪分が少ないため、短期間での発酵が可能で、品質が均一化できてコストが安くできます。問題は、大豆

糖と食物繊維を考える

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先日、テレ系の朝の番組で食物繊維(とタンパク質)が血糖値の上昇を抑える、という特集をやっていましたが、内容に大きな誤解があるので解説します。 タンパク質の話は別の機会に据え置きまして、食物繊維の話をします。番組では、野菜の後に炭水化物(糖の集まったものです)という順番で食事をとると、その逆の順番で食事をした場合に比べて、血糖値の上昇が抑えられるというものです。これは事実だと思います(出典は大阪府立大の今井先生の論文と思われます)。しかしその理由として解説していた某医師は、下の写真のように、先に食物繊維を食べておくと、食物繊維が小腸の壁にへばりつく膜のような形で、後で食べた炭水化物や糖分をブロッ

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