加齢とともに、腸自体の消化機能が低下することが知られています。 消化機能の低下は腸内細菌の機能低下をもたらし、腸内細菌の重要な機能である免疫力を維持する機能が低下し、これが免疫老化と呼ばれる免疫力の低下をもたらします。 免疫老化が始まると慢性炎症状態となり、それがさらに胃腸炎、ガン、糖尿病などをはじめとするメタボリックシンドロームなどに発展すると考えられています。 また、血中の炎症性サイトカイン(IL6やTNFなど)のレベルは、年齢とともに上昇傾向にあり、これらのサイトカインが様々な疾患を引き起こすことが考えられます。 この炎症性サイトカインの加齢による上昇という現象も、腸内細菌の老化に連動し
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腸内環境は改善するか
腸のリノベーションはできないにも、腸内環境とは何を指す言葉なのかについて書いたが、ここでは「改善」という言葉について考えてみたい。 ウィキペディア(Wikipedia)によれば、改善とは『 誤りや欠陥、ミスを是正しより良い状態にする事、行為』とある。 また、weblio辞書でも『改善とは、より好ましい・望ましいものへ改めること、及びそのための創意工夫の取組み、の意味で用いられる表現』であり、 改善の使用例として「業務プロセスの改善」「二国間関係の改善」などとある。 いずれも、改善されたとは良い状態が継続している結果を指すもので、すぐに元に戻るような場合は改善されたとは言わないはずだ。 つま
腸管免疫系とは
ここでは、「COVID-19と自然免疫力」にも登場し、24時間私たちの命を守っている自然免疫力、そして獲得免疫について解説します。 腸管免疫系の仕組み (現在執筆中 別ページに書き出します) ●絨毛の間にあるパイエル板という場所が代表的な器官で、ここには免疫細胞の一つであるリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージなどが多数待機し、周辺の上皮細胞などで働くリンパ球や自然免疫の働きと連携しながら病原菌を捕獲するための抗体 (IgA)を製造している。 ●捕縛された病原菌をマクロファージなどの食細胞が処理するまでの流れが獲得免疫の仕組み。 菌体成分はパイエル板に取り込まれ獲得免疫系を刺激する
自然免疫と獲得免疫
ここでは、「COVID-19と自然免疫力」にも登場し、24時間私たちの命を守っている自然免疫力、そして獲得免疫について解説します。 自然免疫とは ●36億年前から私たちに備わっている自然免疫は、敵(抗原)の侵入に気がついて最初に駆けつける免疫反応のことを言います。顆粒球、マクロファージ、NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)、樹状細胞といった免疫細胞が主役で、自分以外の敵を見つけるとすぐさま攻撃を仕掛けます。 体が自然に反応する最初の免疫ということで「自然免疫」と呼ばれ、相手を特定せず、どんな敵に対しても無差別に攻撃を仕掛けます。 獲得免疫とは ●一方、自然免疫部隊が対処できない抗原もあり、それら
COVID-19と自然免疫力
今般のコロナウイルス(COVID-19)について、多くの論文も発表されている。 これらの論文によると、コロナ感染者の死亡率は全体で3.7%であり、年齢と深い相関が見られるようだ。50歳以下では1%以下の死亡率だが、50歳より死亡率は増加し80歳以上の場合は約15%に達している。 年齢の他にも、リスクファクターとして高血圧、心疾患、糖尿病などがあるようだ。 これらのリスクファクターの共通性は明らかになっていないが、感染に対する抵抗性を生み出す自然免疫が関係していると考えられるとされ、特に、その基盤となっているマクロファージなどの貪食細胞の機能低下が大きな可能性となっているようだ。 実際、年齢が低
このまま続くコロナ渦
30日に東京都が確認した新型コロナウイルスの感染者は14人だったそうだ。これで都内で確認された感染者は5日連続の2桁台。要するに緩めると慢性的に感染が広がり、2桁の感染者が出続けるということだ。PCRをかけて全ての人に検査をしない限り、誰が保菌者で誰が非感染者なのか、永久に分からない。日本人にコロナの死亡者が少ない理由は、決してPCR検査を行っていないからではなく、ファクターXは疫学上の別の理由であろう。ここまでPCR検査数を増やしたくない理由は、黒川の定年を延長したい理由や、森友問題や、四国の獣医学校の新設や、桜を見る会などの問題と、きっと根は同じなのだと思う。いつか明確になるだろうが。そし
鳴りを潜める乳酸菌CM
最近、と言ってもクルーズ船のニュースが頻繁に流れるように成り、誰もがコロナの存在を知るようになった2月頃からの事だが、乳酸菌飲料や機能性ヨーグルトのCMが少なくなったと思わないだろうか? というか、ほとんど見なくなったとも言えるのではないかと思う。 何故か? そりゃそうだろう。 誰でも免疫力をあげてコロナから身を守りたいと思うのだから、納豆までスーパーの棚からなくなるくらいだ。ちょっとした免疫関係の情報にだって敏感になっている時に、インフルエンザの流行る頃なんかすごい勢いだったヨーグルト屋さんが、ほとんど出てこない理由は単純。効かないからだ。 100円足らずのヨーグルトで免疫力が上がったら苦労
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「る」
[る] ルックスより フローラ気になる 未来のお見合い | ヒトの寿命は細胞内の遺伝子に刻み込まれた内容によって決まっていますが、それはいわば臓器の寿命とも言えます、実際はどのような食生活を送るか、肉体的、精神的なストレスの加わり方などによっても、大きく影響があることもあります。 しかし一方で、腸内フローラと呼ばれる腸内菌の集まりによって、腸内細菌の影響は 免疫力の強さなど健康面だけでなく、宿主(しゅくしゅ)である私たちの性格などにも影響を与えている可能性があります。 現時点で、どのような腸内フローラを持っているのかを調べる技術が進んでいますので、健康情報の一つとして腸内フローラの状態がライ
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「る」
[る] ルビーより ダイヤより貴重な 免疫力 | ヒト腸内には数百兆匹とも云われる腸内細菌が生息しています。その腸内細菌は腸管免疫機構を介して私たちの免疫に大きく関与していることが分かってきました。 免疫という言葉は文字通り、病気や外敵(疫)から免(まぬが)れるための仕組みですので、私たちの体は免疫機能に守られているおかげでなかなか病気にはかからず、80年以上も生きることができるのです。 免疫機構の価値をお金に換算することなどできませんが、その存在は私たちにとってまさしく宝石のように貴重な存在であると言えるでしょう。 腸内フローラや腸内環境について勉強したい方は、参考にしてください。 腸内カ
弊社で販売している腸内カルタの、読み札の解説をしていきます。本日は「や」
[や] やすやすと 腸内フローラ 変わりません | 年齢と腸内フローラ 腸内フローラの年齢変化でまず思い浮かべるのは、東大名誉教授の光岡先生の描いたグラフです。 腸内細菌の数が年齢とともに変化し、若い頃には優勢(数が多い)だった善玉菌が年齢とともに減少し、替わって悪玉菌が増加していくさまがグラフに表されています。 腸内フローラを構成する細菌の状態は、このように何十年といった長い時間をかけて変化していくものですので、一時的に下痢をしたり便秘になった事で、腸内フローラが簡単に入れ替わってしまう事はありません。 恒常性というはたらき 腸内の状態というものはやじろべえの様に、一定の細菌の種類や数が安
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