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腸内細菌は免疫機能のコンダクター(指揮者)

biomeisterの日記

腸が消化器官として果たす役割については、すでに一般的になっていると思います。 口から入った食物が胃や十二指腸を経て消化物として腸に到達し、養分や水分が吸収されて便として排泄される・・・と、ここまでは誰でも知っている働きでしょう。 しかし、腸内細菌と免疫との関係となると、なかなか簡単には理解されない領域だと思います。 腸内環境はオーケストラ 私が腸内細菌の世界を説明する際に、よくオーケストラに例えて話をしています。 たくさんの種類の乳酸菌をそれぞれの楽器の奏者に例え、彼らが生息している腸内はまるで広いコンサートホールです。 オーケストラではコンダクター(指揮者)は一人ですが、腸内菌の場合は独立した菌のコロニー(集落)が全体でタクト(指揮棒)を握っています。 観客は免疫に関わっている細胞などで、良い音色を聴くと免疫力が上がって大満足で帰っていきます。 長年、仲良く同じメンバーで調和を保って演奏してきた楽団の仲間たちは、誰がどんな音色を奏でるか、自分の楽器の音のよう熟知しています。 何十年も演奏活動を続けるうちに楽団員もみな年をとっていき、若い頃のような美しい音色で楽器を奏でることができなく・・・

糠味噌漬が美味しい理由

biomeisterの日記

糠味噌漬を美味しく作る方法など、net上には様々なテクニックが書き込まれています。読んでみますと、原理的にはどれもぬか床に含まれている乳酸菌による正常な発酵を促進し、余計な菌が繁殖しないための方策のように読み取れます。 書いている人はそのような認識はないのかもしれませんが、少なくとも糠味噌漬の美味しさは 乳酸菌による発酵でもたらされるということは間違いありません。 では、糠味噌漬の美味しさは何によって実現するのでしょうか。 多くの方が、「美味しい糠味噌漬けができるぬか床」と「美味しい野菜」、そして「定期的にかき混ぜること」と答えるでしょう。 お店で売っているぬか床よりも、おばあちゃんがいつも漬けている糠床をもらってきた方が良い、とか、自分で美味しくなる糠床を育てる方法、というのもあるようです。 そもそも糠味噌漬の美味しい味は、糠床に含まれている乳酸菌など、菌自体の味ではありません。菌を舐めても美味しくなんかありません。かと言って、糠床に漬けた野菜の味というわけでもありません。糠味噌漬の味を語るのであれば、発酵という現象について詳しく理解する必要があり、それは他の発酵食品全てに共通する内・・・

認知不協和とは何か

biomeisterの日記

バイアス同様に、取りあえず目先の不安を取り除くために自分で方便を作り心のバランスを得ることが、 認知不協和と呼ばれます。 認知不協和に基づく行動の中でも、直接的に命の危険に結びつかないまでも、迷った際に転がり先を選ぶ原動力となる場合が、よくあります。 たとえば・・・ テレビでガンガン宣伝している商品だから効果があるだろうと思い、通販で買ってしまう。 大手メーカーが嘘を宣伝するはずがないので、買ってしまう。 有名タレントが宣伝しているから安心だから、買ってしまう。 有名ドラッグストアで売っているから効くんだろうと考え、買ってしまう。 医者の言う事だけ聞いていれば大丈夫だろうと、生活習慣を改めない。 自分だけはコロナに感染しないだろうと考え、平気で人混みに出かけてしまう。 このような行動を全て否定するものではありませんが、多数派同調バイアス・正常性バイアス・認知不協和などの心理的バイアスは全て、正常な判断を阻害する負の力として働き、 本来できるはずの正常な判断を狂わす要因です。生活習慣病の多くが、バイアスなど精神的な影響を受けていることは否めないのではないでしょうか。逆に、疑り深く人の言う・・・

腸内環境は改善するか

biomeisterの日記

  腸のリノベーションはできないにも、腸内環境とは何を指す言葉なのかについて書いたが、ここでは「改善」という言葉について考えてみたい。 ウィキペディア(Wikipedia)によれば、改善とは『 誤りや欠陥、ミスを是正しより良い状態にする事、行為』とある。 また、weblio辞書でも『改善とは、より好ましい・望ましいものへ改めること、及びそのための創意工夫の取組み、の意味で用いられる表現』であり、 改善の使用例として「業務プロセスの改善」「二国間関係の改善」などとある。 いずれも、改善されたとは良い状態が継続している結果を指すもので、すぐに元に戻るような場合は改善されたとは言わないはずだ。 つまり、一時的に状態が良くなっただけなら『好転した』のような表現が相応しく、すぐに元に戻ることが分かっているのでは、 体にとって戻った状態が正常な状態なのだから、これは腸内環境の改善とは言えない。 本質は変わっていないのだから。   これを腸内環境の改善という言葉に当てはめてみたい。 ヨーグルトを食べたら糞便中のビフィズス菌が増えたというデータをもって、腸内環境が改善したと宣伝しているメーカーがある。・・・

2020年10月の大豆畑(大豆写真集49)

農場だより

10月2日夕暮れ時の無農薬大豆畑です。曇りの日なのですが、時折青空が覗きます。

2020年7月夏の岩内自然の村・岩内仙峡(大豆写真集48)

農場だより

無農薬大豆を栽培している中札内村の西には、岩内仙峡という景勝地があります。

2020年7月の大豆畑(大豆写真集47)

農場だより

2020年7月の無農薬大豆畑です。今年は管理者の鎌田さんのご自宅のそばの畑ですので、管理上も何かと便利な場所です。

腸管免疫系とは

biomeisterの日記

ここでは、「COVID-19と自然免疫力」にも登場し、24時間私たちの命を守っている自然免疫力、そして獲得免疫について解説します。 腸管免疫系の仕組み (現在執筆中 別ページに書き出します) ●絨毛の間にあるパイエル板という場所が代表的な器官で、ここには免疫細胞の一つであるリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージなどが多数待機し、周辺の上皮細胞などで働くリンパ球や自然免疫の働きと連携しながら病原菌を捕獲するための抗体 (IgA)を製造している。 ●捕縛された病原菌をマクロファージなどの食細胞が処理するまでの流れが獲得免疫の仕組み。 菌体成分はパイエル板に取り込まれ獲得免疫系を刺激する

自然免疫と獲得免疫

biomeisterの日記

ここでは、「COVID-19と自然免疫力」にも登場し、24時間私たちの命を守っている自然免疫力、そして獲得免疫について解説します。 自然免疫とは ●36億年前から私たちに備わっている自然免疫は、敵(抗原)の侵入に気がついて最初に駆けつける免疫反応のことを言います。顆粒球、マクロファージ、NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)、樹状細胞といった免疫細胞が主役で、自分以外の敵を見つけるとすぐさま攻撃を仕掛けます。 体が自然に反応する最初の免疫ということで「自然免疫」と呼ばれ、相手を特定せず、どんな敵に対しても無差別に攻撃を仕掛けます。 獲得免疫とは ●一方、自然免疫部隊が対処できない抗原もあり、それらには獲得免疫という対応する仕組みがあります。獲得免疫は、生まれたときには備わっておらず、後天的に獲得される免疫です。異物(抗原)に遭遇するたびに、それぞれの抗原ごとに最良の攻撃方法を学習し抗原を記憶します。 過去に遭遇した抗原に対し、それぞれに応じた攻撃をするために、学習し、適応し、記憶する能力がある優れた免疫システムで、一般に免疫と呼ばれる働きは、この獲得免疫のことを指す場合が多いようです。獲得・・・

COVID-19と自然免疫力

biomeisterの日記

今般のコロナウイルス(COVID-19)について、多くの論文も発表されている。 これらの論文によると、コロナ感染者の死亡率は全体で3.7%であり、年齢と深い相関が見られるようだ。50歳以下では1%以下の死亡率だが、50歳より死亡率は増加し80歳以上の場合は約15%に達している。 年齢の他にも、リスクファクターとして高血圧、心疾患、糖尿病などがあるようだ。 これらのリスクファクターの共通性は明らかになっていないが、感染に対する抵抗性を生み出す自然免疫が関係していると考えられるとされ、特に、その基盤となっているマクロファージなどの貪食細胞の機能低下が大きな可能性となっているようだ。 実際、年齢が低下すると多くの慢性疾患において、マクロファージの貪食機能の低下が知られている。 また一方、コロナと自然免疫力との関係では、BCGワクチン摂取を実施した地域に、感染の発症や重症化が少ないことが示唆されている。 この傾向のメカニズムは、BCGによる自然免疫のメモリーやトレーニングがあるのではないかと注目されている。 しかし、BCGは生菌による生ワクチンであり副作用も強く、安易にコロナに予防目的で使用す・・・

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