■今日はシンガポールからマレーシアへのフェリーフライトです。
▲シンガポール北部のセレター空港から、今日はマレーシアのサンダカンまで飛びます。
サンダカンにはアブガスがありますが、海外から直接地方都市へは飛べませんので、一度コタキナバルで入国手続きを行い、それからサンダカンまで飛ぶ予定です。
▲コタキナバルとサンダカンの位置関係です。
シンガポールは、お米の『胚芽』のような国ですね。
▲小型機ですが、機長(PIC)と副操縦士がいます。
特に慣れない地域を飛ぶ海外ロングフライトでは機長のロードが大きく、一人で飛んで行くことは困難です。
▲セレターを離陸、すぐにトラフィックが多いチャンギ国際空港が近づいてきますので、ぐる~っとレーダー誘導されて遠回りさせられます。
▲やっとキナバル方向へ向かえそうです。
機体装備のGPSとI-PADの両方を使い分けて飛ぶととても便利です。
▲コレ、何だと思いますか?
男性専用ですが、空中で用をたすための簡易トイレです。機内は与圧されていますので、レバーを握ると機外の低い気圧に引っ張られて、ズズズ~ッと・・・・・
用を済ませたらペットボトルの水で配管を洗います。女性が使う場合は、何かアタッチメントを自作しなくてはならないかもしれませんが、ホースの長さには限界があるので、ちょっと現実的ではありませんね。
▲インスツルメントの一部です。上から読んでいくと・・・
17.000ftに向けて上昇中です。MAP(マニホールド・プレッシャー)は35インチ、TITが1392F、南国ですが外気温は2℃です。回転数は2.380RPMで回っていてが時間あたり28.7ガロンの燃料を消費しながら、300ft/minでゆっくり上昇しているのが分かります。
▲しばらく飛んでいると、前方に雨雲が出てきたようです。
貿易風が卓越する海の上ですので、あちこちにCB(積乱雲)が発生しています。
▲こんな感じ。
でも、ちょっとデビエーションを取れば避けられるほど個々の雲は独立しています。
▲こんな感じで飛んでいます。実際は何時間も飛ぶので、もっとダラッとしてリラックスしています。
PICのDさんの肩には4本、コパイのPさんの肩には3本のストライプが入っていますが、海外フライトではちゃんとパイロットらしい服装をしていないと入国できない国もあります。
これらはのシャツや肩章はUSAのスポーティズで通販で買ったそうです。
▲時々、交代して私が操縦します。私もFAA(アメリカ連邦航空局)のライセンスを持っていますので、Nレジ(アメリカ籍)の飛行機も飛ばせますので。
Dさんは後部席で爆睡しています。
▲キナバルに着きました。
ここで入国審査を行います。小型機のCIQに慣れていないらしく、長い時間待たされました。
▲やっとキナバルを離陸、キナバルレーダーに誘導されてサンダカンに向かいます。
マレーシア人の管制官が話す英語は、日本人管制官の話す『カタカナ英語』に少し似ていて、本場英語をしゃべるDさんやPさんは時々、管制官の言うことが分からないようでした。しかしそんな時、カタカナ英語を聞き慣れている私はちゃんと聞きとれるので、通訳(?)してあげる場面もありました。
▲SANDAKAN(サンダカン)に向かいます。
サンダカンと聞くと私は、田中絹代さんの『サンダカン八番娼館』を連想します。今でもからゆきさんのお墓が残っているのでしょうか。
▲サンダカン空港です。
キナバルと違って、ここは国内フライト扱いなのでほとんど手続き不用でした。日本のツアーでは隣のブルネイへ行くものが多いようですが、地つづきのキナバルやサンダカンもなかなか綺麗なところです。
▲これは『思い出の名場面』として残せそうな状況です。
さっきまでパイロット。今は給油要員です。
ここには小型機の飛行学校があり、単発や双発の小型機が数機あります。そのおかげでアブガスが常備されているので便利です。ここを知っていれば、また次回も来たくなります。
ドラム缶をトラックで持ってきてくれますので、自分で給油できます。途中でポンプが故障したため、最後はハンドポンプでコキコキ入れました。
▲サンダカンの特産・・・ではありません。
日本の寿司屋などもあったのですが、給油に時間がかかり夜も遅かったので開いているレストランが少なく、路上で中華料理を食べました。そりゃ~安いですよ。でも料理のメニューは2種類しかありませんでした。
▲今日一日のフライトを振り返り、盛り上がります。
Dさんのアメリカでの生活、日本のこと、政治や文化のこと・・・話は尽きず世は更けていきます。
(続く)